散骨で後悔しないために。よくあるトラブル紹介
「自然に還りたい」という故人の希望や「墓じまいしたい」というご家族での話し合いで選ばれている“散骨”。最近増えてきている葬送のひとつとして、多くの人が関心を寄せています。ただ、そのマナーを把握していない場合、またメリットを理解していない場合、トラブルが起こることがあります。
そこで、ここではよくあるトラブルをピックアップし、原因と対策についてまとめました。ぜひ、参考になさってください。
よくある散骨トラブルをご紹介します
「散骨は違法なのでは?」という疑問をお持ちの方も、まだ多くいらっしゃるようですが、散骨は違法ではありません。ただし、はっきり合法ともいえないというのが現状です。つまり、法律の上ではグレーゾーンに入るため、節度をわきまえて行わなければ、散骨に関連した法律で罪になることがあるのです。次のトラブル事例をご覧いただき、常識的な方法で散骨を行うようにしましょう。
<トラブル1> 許可がない、許可されていない場所に散骨したケース
*ケース1 遺骨を他人が所有する山林に、許可なくそのまま撒いてしまった。
*ケース2 遺骨を自分の庭に埋めてしまった。
これらの行為はいずれも違法であり、ケース1の場合は遺棄罪、ケース2の場合は墓埋法に該当します。
日本では、遺骨の埋葬に関し、2つの法律があります。「死体遺棄罪(刑法190条)」では死体、遺骨などを遺棄してはならないことを定め、「墓地埋葬法」では遺骨を墓地以外の区域に埋葬してはならないと定めています。つまり、許可がない場所に遺骨を埋めたり、遺骨を撒いたり(置いたり)すると、処罰されるケースがあります。
また、自治体によっては、条例を設けて規制しているところもありますので、海洋葬なら沖合で、山に散骨する場合や樹木葬を行う場合は、墓地としての許可を得ている土地で行うようにすれば、安心です。
<トラブル2> マナーを守らなかったケース
*ケース1 遺骨のまま海の沖合いで撒いてしまった。
焼骨後、遺骨は粉末化して撒くのがマナーです。海なら大丈夫だろうとそのまま撒いた場合、海岸まで流れついてしまい人の目に触れトラブルになる可能性もゼロではありません。必ずパウダー状にすることが必要です。
山への散骨の場合は、撒く場所によってはトラブルになり兼ねませんので、注意が必要です。また、樹木葬の場合は山への散骨とは異なり、墓石の代わりに樹木を植えるものです。通常のお墓と同様に埋葬しますので、パウダー状にする必要はありません。墓地の許可を得た安全な敷地内で自然葬が行えるので、安心といえるでしょう。
*ケース2 他人の私有地ではないが、ひと目のつくところに撒いてしまった。
散骨は法的にグレーゾーンであるからこそ、マナーを守り節度をわきまえた行いが必要です。遺骨をパウダー状にして、他人の私有地以外や、他人の私有地で仮に許可を得た土地に撒いたとしても、街中や景観地など人の目に触れる場所に撒くことは、心情的な意味でマナー違反といえるでしょう。
<トラブル3>親族関係で意見の相違が起こってしまった
たとえ故人が散骨を希望していたとしても、遺族や親族の間で賛成する人、反対する人による意見の食い違いが起こることがあります。その原因の多くは、海や山に散骨してしまうと、お墓がないために墓参りができず、その後の供養ができないのではないかというもの。
そのようなときは、親族間でじっくり話し合いを行ってください。散骨のメリットとデメリットなどの情報を共有し、両者が納得できる方法を考えることが大切です。
散骨で後悔しないために
トラブルの事例をご紹介しましたが、散骨を選んだご遺族の皆様が後悔しないよう、散骨のメリットをしっかりと理解することが大切です。もし、親族の反対があった場合は、故人の希望だということで一方的に押し通さずに、親族の理解を得るよう努力しましょう。
たとえば、全ての遺骨を撒くのではなく、手元に少し残すことで、拝むことが可能となりますので、このような方法を提案してみてはいかがでしょうか。また、海に散骨したのならば海に、山に散骨したり樹木葬をしたりしたのならばその方向に向かい拝むことでも故人を偲ぶことができます。もし、散骨後にもその場に足を運んでお参りする場合は、遠方での散骨を避けるようにするとよいでしょう。散骨の場所や樹木葬の場所は、あらかじめしっかりと調べて選択することをおすすめします。
トラブル無し、後悔なしの散骨のために
墓じまいしたい方、散骨のことでお悩みの方、疑問や不安がある方は、ぜひ「やすらぎの郷」にお問い合わせください。当社では、故人が大自然でやすらかに眠れるよう、赤城山山麓に専用の散骨場をご用意しております。そのため、いつでもお参りしていただくことが可能です。また、粉骨代行も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
「散骨を選択してよかった」と思っていただけるよう、ご遺族様のサポートをさせていただきます。お問い合わせいただければ、自然葬体験者の話などをご紹介させていただくなど、心をこめて対応させていただきます。